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スイングの本質とメカニズム (開設 : 2018-1-16) 2021-1-16rev. テニススイングは科学(物理学/力学)の視点で考え、「自然×シンプル=合理的」であり、無理と無駄を省かなければなりません。 「基本に戻れ」 Back to the Basics と言いつつも、硬式テニス、特に片手バックハンドには筆者の知る限り、基本らしきものが未だに存在しません。 令和2月に亡くなった野村監督が「野球は頭でするものだ」と述べ、最近、男子ゴルフの第一人者である青木功氏も、ある月刊誌上で 「ゴルフは頭を使わないと出来ないスポーツだ」と述べているように、テニスの技術も、頭(理性)を使って基本をマスターし、レベルアップ すべきではないのでしょうか。 特に問題なのは、科学的思考能力とは隔絶された片手バックハンドの進化の遅滞です。 5年ほど以前にアメリカのある著名なコーチが、フォアハンドの進化と比較して、片手バックハンドの進化が遅れていると指摘されていましたが、 筆者の知る限り、ここ30年以上もの長期間、片手バックの技術の進歩は停滞し、依然として科学とはほぼ無縁の状態が続いています。 |
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Ⅰ.グリップ : 打球の主役は手の平(=ラケット)です。ボールを打つのは手の平(=ラケット)です ラケットとはアラビア語で<手の平>を意味するように、ラケットは手の平の補助/代替ギアに過ぎません。 グリップは、①必ず、打点に合わせてつくり、②スイング方向の真後ろを手の平でしっかりと支えねばなりません。 (第1、2図参照)
◆正しい打点の位置・・・スイングの支点となる体幹との位置関係 (第4、6図参照) インパクト時点でのグリップの位置/方向は、当然、ショットの種類、打点の位置/高さなどによって異なりますが、 基本となるフラットの場合、フォアハンドもバックハンドもラケットを持つ利き腕の肩の約20度斜め前です。 ラケットと下腕の角度は通常約135度です。 勿論、打点は、フォアハンド/バックハンドも頸椎/前肩をスイングの支点とする自然な円/半円/直線軌道上にあります。 但し、ボレーは頸椎/前肩をスイングの支点とする直線軌道上とする方が、より力強く正確な打球が可能となる筈です。 ![]() 最も力強く正確な打球が可能な打点の高さは、ストロークの場合、ほぼ腰の高さです。 ボレーは、力強さ/コントロールの正確さと確実性を望むのであれば、FHもBHも目の高さがベストです。 ![]() 最も力強く正確な打球が可能な打点の高さはフォアハンドよりも約20ー25cmほど高く、ほぼ鳩尾-胸付近ですが、 <EEタイプ>でならば、打点が胸ー肩ー頭上までの高いボールでも充分強い打球が可能です。 ※バックハンドの手の平とは・・・バックハンドの場合、手の平とは、親指の付け根の膨らみ部分、つまり、手相占いで 金星=Venus-Hill ヴィーナスヒル(VH)と名付けられた部分です。手の平の最強スポット(真芯)です。(第2図参照) ※正しいフラットグリップのつくり方 肘の位置/方向に要注意!フォアとバックとでは違います。手の平とラケットの打球面を自然に正しく前方に向ける・・・・・・ 正しいグリップをつくる場合の注意事項 : ①身体の向きは横向きで、前肩を前方に向ける。(スクエアスタンスの場合、両足の爪先を結ぶ直線の延長線上に前方ターゲットがある) ②ラケット面を打点の位置に、地面に直角にセットし、ラケットを利き腕で掴んだグリップが自然で正しいグリップです。 打点の位置は、トップスピン、スライス、ボレーの場合、スイングの仰角/俯角によりますが、フラットの場合よりも身近に位置します。 ![]() 従って、グリップつくりも同様、脇を閉め肘を体幹に寄せ、ラケット面を打点に合わせた構えでグリップをつくること。 ![]() 従って、グリップつくりも、脇を開け、ヒジ/上下腕を前方打点に向けて伸ばし、ラケット面を打点に合わせた構えでグリップをつくること。 ◆正しいグリップ 下記のグリップが、手の平(=バックハンドの場合はVH)と、打点/スイング方向にも合致し、ラケット/ ボールへのベクトル(運動の方向量=スイング/打球パワー)の伝達を最強とするグリップです。・・・・・・第1図及び下表参照! ![]() ![]() ※バックハンドの場合、スイング中の不自然な手首のコックや捻りは邪道です!グリップづくりに誤りがある証拠です。スイング中/インパクト 直前のラケット面の調整操作はスイングの不安定要素となり、必然的にスピードとパワーダウン、ミスショットの原因となります!
※強いボールを打つためには、手の平/グリップとラケットの打球面またはスイング方向との完全一致が必要条件です
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Ⅱ.打球の構え: ◆テニスは足ニスです : 「ヨーイドン」の構えをつくって、相手がボールを打った瞬間に、足を動かして 適切な打球地点に移動するのが基本です。 ◆身体は横向き (上半身だけでも) とし、前肩を前方ターゲットに向けるのが自然で基本! 身体は自然体に構える。つまり、背筋を伸ばし、頭を垂直に立て、膝を軽く曲げて腰を少々落とし、打球する相手に 前肩を向けて上体だけでも横向きに構える。これが足腰を含めた全身の力強く、正確なショットを可能とする条件です。 両足の構えはスクエアスタンスが基本です。両足の爪先を結ぶ直線の延長線上にターゲットが位置します。 実戦では身体を前向きの状態で対応せねばならないケースが多いのですが、打球は極力横向きで行うのが基本です。 ※身体を横向け(=自然体)とする理由と目的は ①打球のパワー強化 : フォアハンド(FH)では肘の推進力、バックハンド(BH)では肘の牽引力を最強とするため、 フォアハンドでは、肘を体幹(体軸)に強く引き付けることで、力強く正確な<押す(推進)スイング>を可能とし、 バックハンドでは、肘を体幹(体軸)から強く引き離すことで、力強く正確な<引く(牽引)スイング>を可能とする。 ②自然なスイング軌道 : 体幹(FHでは頸椎、BHでは右肩))をスイングの支点とする自然なスイング軌道= 円/半円/直線軌道を作り、手の平(グリップ)を正しく前方スイング方向に向けるため。 ※上記の①、②により、スイング/打球の強弱、飛距離、飛球方向の正確なコントロールが可能となります。 ※なお、打点が低い場合には、 身体が腰高でラケットダウンするだけの場合には、ミスの確率が確実に高まります。特にバックハンドでは要注意! ※テニスの習得と上達を妨げ、凡ミスを多発する最大の原因は、上記の基本/原則の軽視/無視/不備にあります。 |
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第5図 片手バックの自然なフォロースルー(概念図) ![]() ※片手バックでは、インサイドアウトの軌道上でボールを捉え、 前方にラケットと肘を向けて突き出し、フォロースルーを 行うのが基本です。実質的なフォロースルースパンは 極めて短くなります。 |
第6図 スイングの支点と打点との関係(概念図) ![]() ※上図のバックハンドの打点位置は、フラットの場合です。 トップスピン、スライス、ボレーなどの場合、より身近となります。 |
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◆テイクバック : 意図するスイング軌道上へのダイレクト(直接)コンパクトテイクバックが正しいテイクバックです。 テイクバックは、フォアハンドもバックハンドもラケットを直接、フォワードスイング開始位置=打点の真後ろ、 即ち、自然なスイング軌道の延長線上へのセッティングの完了でなければなりません。 ![]() つまり、伊達公子式が、唯一正しいテイクバック方式です。プロ選手がフォアハンド側で行うハイポジション/ サーキュラーテイクバックの効果または意味があるのか?ないのか?甚だ疑問です。 ![]() スイング軌道上の、スイング開始位置にセットすべきです。 但しトップスピンは例外です。何故ならラケットを持つ利き腕のヒジを前方の打点方向に向ける態勢をつくっておかねば、 正しく効果的にヒジの機能をうまく活用するラケットの牽引スイング=<引くスイング>が不可能だからです。 但しトップスピンは例外であり、フラットと同様なテイクバックで事足ります。何故ならトップスピンのスイングはフラットと同様な テイクバックの構えを崩さずに、ヒジ/下腕/ラケットを一体として前方上部へ向けて振り上げるスイングだからです。 また、テイクバック時には、採用するグリップづくりを完成しておかねばなりません。 ※直接ダイレクト/直線的ストレートテイクバック(コンパクトテイクバック)の大きなメリット: ①打球の構えづくりのタイムロスを最小限に留め、速攻が可能。少なくとも、振り遅れを防げる。 ②迅速なラケットとヒジのセッティングおよび打球態勢づくりが可能となる。 ③バックハンドの場合、長い<ラケット牽引可動域>をつくり、即座にスイングパワーを溜めることが可能。 ④打点の低いボールの返球に極めて有利。
Ⅲ.スイング: スイングの主役は肘です。肘はスイングの推進(FH)/牽引(BH)原動力であり、司令塔/方向舵です。 特にBHでは肘を前方に向け、肘の先行リードでラケットを強く振らなければ、ボールを力強く正確に打つことが出来ません。 片手バックBHでは、<ヒジーグリップーラケットヘッド>が作る3角形を崩さずにスイングすることが大切です。 (1)スイング軌道 : 正しく強いスイング軌道は、体軸を支点とする自然な円/半円/直線軌道です。 打球はスイングの支点(軸)つまりフォアでは頸椎/バックでは前肩を基点とする 自然な円軌道/半円軌道、或いは直線的軌道の中でボールを捉えて行うのが基本です。 従って、打球の時点ではスイングの支点(軸)の動き/回転を停止するのが基本です・・・・・・第5図参照 ※スイングの支点を動かさない手段として、インパクト時に打点に眼を残すことも非常に大切です。 自然な軌道から外れて、ボールにラケットを当てに行くスイングでは、軌道からの乖離が大きいほど、打球ミスが増えます。 ※スイングは全身運動 : 姿勢正しく、足腰の動きを上手く活用するのがポイントです!身体の上半身だけで、腰が浮いた または、伸び切った状態で、または小手先だけでスイングを行うプレイヤーがいますが、膝を軽く曲げ、腰を少し落とし、 下半身(足腰)を巧く柔軟に使わないと、力強くコントロールの正確なスイング/打球は不可能です。 ※足の位置、構えをとやかく言うコーチがいますが、足は上体と腰の構えさえ正せば、自然と正しくセットされます。 (2)大切なヒジの機能 : スイングとはヒジを振ること=ヒジはスイングの原動力/司令塔です。 スイングのメカニズムは、フォア(FH)とバック(BH)では全く異なります。従って、肘の使い方も異なります。 ※スイングの主役は肘です!特にバックハンド(BH)では、肘を巧く使わねば良いショットを打てません! ◆スイングの原動力機能: スイングとはラケットを持つ腕の肘を振ること。肘を強く振らねば強いボールを打てません。 片手バックハンドで力を入れ難いのは、①グリップの誤りと、②肘を打点に向けて強く振らないのが原因です。 ヒジの原動力機能を巧く活かすには、スイングを極力ヒジの高さで行なうのがポイントです。何故なら、フォアハンドでは、 肘のバックアップ(パワーアップ)、バックハンドでは肘のアシスト(パワーアップ)に役立つからです。 ![]() 肘を体幹に強く引き付けるパワーが、<押すスイング>の推進力=打球パワーを一層強化します。 右腕(利き腕)が身体の後ろに付いているフォアハンドでは、グリップをイースタン、コンチネンタルとする場合、 <ラケット推進可動スパン>つまり、ラケットのフォワードスイング開始地点から打点までの短い距離を <押すスイング>でスイングし、打球を行うのが自然であり基本です。 グリップをウエスタン/セミウエスタンとする場合、窮屈ですが、<引くスイング>が可能となります。 ※FHでは生憎、<ラケットの推進可動域>がかなり短くてパワーとスピードを溜め難い上、<押すスイング>にはスイングに体重を 乗せ難いためパワー不足であり、身体の捻り/捻り戻しによる両肩の回転を伴うインサイドインのスイングや、後ろ足から前足への 意識的な体重移動を行うなど、追加のパワーアップ策が必要不可欠となる大きな欠点/デメリットがあります。 フォアハンド(フラット&トップスピン) は体幹の後ろから体幹(ヒジ)までの長い<ラケット可動域>を、多少なりともヒジとグリップ先行の、 つまり、ラケットがヒジとグリップよりも遅れて振り出される<引くスイング>で多少なりともスイングに体重を載せ、パワーを溜めることで 以後の<ラケット可動域>の<押すスイング>のパワーアップを図るのがベストではないかと思います。 ※事実、打点が高めのフラットショットを結構強いスライス気味のスイングで打つ女性アマチュアや非力な男性も多数います。 ![]() 肘を体幹から強く引き離すパワーが、<引くスイング>の牽引力=打球パワーを一層強化します。 但し、テイクバック時に、ヒジを打点、或いはスイング方向に向けておくのが条件です。但しトップスピンは例外です。 右腕(利き腕)が身体の前に付いているバックハンドでは、ラケットがスイング開始地点から、体幹(ヒジ)を 追い越すま での<ラケット牽引可動域>が長いため、グリップをバックハンドウエスタン/セミウエスタンとして、 スイングをインサイドアウトの<引くスイング>で行うのが、自然であり、基本です。 片手バックのスイングをヒジの始動/先行リードで行う場合に、最も力強く正確なショットを打つことが可能となります。つまり、肘を自然な スイング軌道上で振る場合、即ち、肘を、<ラケット-グリップー肘>が作る不等辺3角形の平面上に載せて振る場合に、最高速/最強の スイング/打球を可能とします。従って、フォアハンドのような追加パワーアップ策を必要としない大きなメリットがあります。 ※ラケットの<牽引可動スパン(域)>が充分長い<引くスイング>を行うバックハンド(BH)では、スイングに パワーを充分溜める時間的余裕もあり、スイングに体重が乗るため、パワーアップのための追加補強操作は不要です。
◆スイングの司令塔/方向舵⇒コントロールの正確な強いスイング/打球を可能とする 肘は、肘の位置/高さ/向きを調整し、肘/手の平/ラケットの打球面を正しく前方打点/スイング方向に向ける司令塔です。 スイングとは、手の平と肘を前方スイング方向に正しく向けた状態でラケットを持つ利き腕の肘を振ることですが、大切なことは、 肘の牽引/推進機能、司令塔/方向舵機能、加速機能を100%効率的に活かすためにはFHでもBHでも、 極力スイングを肘の高さで/肘を打点に向け、肘のバックアップ(FH)/リード(BH)で行なうことが基本です。 ※フォアハンドでは通常、肘と打点の高低差が大きくなりがちなので、ヒジのスイングパワーのラケットへの伝達効率が低下しがちです。 バックハンドでもグリップとスイングタイプを間違えると、同様なパワーロスを惹起します。
フォアハンドFHでもバックハンドBHでも、トップスピンを打つ場合、テイクバックはラケットの打球面を多少伏せ気味にして、 膝の後辺りにセットするのが自然です。トップスピンを打つには、ヒジの力が必要です。単に、ラケットを手首を使って 振り上げてボールを擦りあげるのではなく、ラケットを持つ利き腕の肘をラケットと一体としてしっかりと振り上げて、ボールを ラケットで強く擦りあげる必要があります。手首を使う小手先で打っても強いスピンはかかりません。 ![]() ①単純に肘の推進力でラケットを下から上へと振り抜くことでボールを擦りあげる方法と、②ワイパースイングで プロネーションを用いる方法と、2通りの方法があります。どちらもラケット面が被り気味の段階でボールを叩くと効果的です。 ![]() ラケットの打球面を、振り抜く際にコート面にほぼ垂直に立ち上げる過程でスピンを掛ける方法が正しいと思います。 この場合、打点は当然フラットの場合よりも多少体幹に近くなります。これにも以下の2通りの方法があります。 ①スイング途上でラケットの打球面が未だやや被っている(下方を向いている)段階でボールを引き付けて叩く方法。 ②グリップをバックハンドウエスタンよりもやや厚めのバックハンドフルウエスタンとしてボールを叩いて振り抜き、擦りあげる方法。 ※バックハンドでスピネーションでスピンを掛ける説がありますが、フォアハンドとバックハンドとでは、スイングのメカニズムが異なります。 スピンはかかりますが、ラケットの当たりが薄く、球威がかなり低下する大きな欠陥があります。スピネーションのような 小手先の打球方法では球威のあるトップスピンを打つことは不可能です。むしろプロネーションの方がベターなのかも知れません。 (5)サービス : 球威のあるサービスを打つポイント ;・・・・・・ トスの位置とヒジの使い方が重要 ![]() 肩より上に上げ、ラケットを背後に落とすのが基本です。ボールのトスは無心の状態で行うと巧く行きます。 ![]() 直後に上腕を<BAIタイプ>=<押すスイング>で前方へ向けて振りつつ、上腕にプロネーションをかける<EEBAIタイプ>で スイングを行うのが普通です。肘を大きく強く振るほど打球を強めることが可能です。スイング球種には、①ストレート、②スライス、 ③トップスピン、④リバースの4種類があります。 ①ストレート:文字通り、真っ直ぐの直球 ②スライス : 落ちてから弾まずに低く逃げるスライスサーブ ③トップスピン : 強いプロネーションをかけて落ちてから高く弾むスライス気味のトップスピン ④リバース : トスしたボールの左側を強く叩いて右手利きの相手のバックサイドに落ちてから低く逃げるサーブ。 ![]() トスする位置は、①、②の場合、体幹よりもやや前方;前肩の右前辺り、③、④の場合、ほぼ頭の真上のやや前方です。 ![]() 通常、サーブ&ボレーとするため、採用するグリップは通常コンチネンタルが基本です。 イースタングリップでも打つことが出来ます。 ![]() 強く振るのが球威のあるボールを打つポイントです。プロネ-ションの強弱でボールの回転強度をコントロールします。 ![]() 打球時には左足(前足)を軸足として動かさず、打球後は一瞬打点に眼を残してフィニッシュするのが基本です。 打球直後に頭を動かしてボールの行方を見ると、フォールトになり易いので要注意です。 ![]() セカンドサービスは、ダブルフオールトを避けるため、通常トップスピンを掛けるのが基本です。 (6)フォロースルー : フォアとバックではスイングのメカニズムが違います。当然フォロースルーも異なります。 スイングの支点(体軸)を静止させるため、インパクト時点で打点に一瞬でも眼を残すこと。 ![]() 支点とする、インサイドインの身体の大きな捻り戻し(横回転)を伴う大きなフォロースルーが必要不可欠です。 ![]() スイングの支点(軸)ですから、インパクトの時点では、右肩の動き/回転を止め、力を抜いてラケットとヒジを前方へ突き出す /投げ出す形で、実質的なフォロースルーは極めて短く、コンパクトにフィニッシュするのが基本です。 ※バックハンドの場合、打点の位置が体幹から遠いことも考慮する必要があり、最後まで、ラケットを引き出し続けるインサイドアウトの スイング軌道を崩してはならず、インパクト後はスイングの支点である前肩の動きを止め、後ろ肩も開かずに後方へ残すのが基本です。 (7)力学方程式 : 「バックハンド(BH)に力を入れ難い」という定説は、大間違いです。 強い片手バックを打つベテラン識者は、力を入れ難いのは、むしろ<フォアハンド>だと述べていますが、正解です。 運動量 Momentum=質量 Mass × 速度 Velocity というスイングの力学方程式があります。 これは、打球の強さはラケットの重量とスイング速度に比例するという方程式ですが、質量Massをラケットにかかるベクトル (運動の方向量)に置き換えて考えれば、①スイングに体重が乗るバックハンド(BH)ショット=<引くスイング>の方が、 スイングに体重を乗せ難いフォアハンド(FH)ショット=<押すスイング>よりもべクトルが大きい。 ②スイング速度も、肘を伸ばしつつスイングするバックハンドの方がスイング半径が大きく、肘の小さな動きで鞭を振るように 高速です。一方、肘を折り畳みつつスイングするフォアハンドショットはスイング半径が小さく、肘のスイングが大きい割には スイングスピードが低速であることを勘案すれば、理論的にFHよりも、BHの方が打球のパワーが強力であることが判ります。 ※つまり、打球の強さは、単純化すれば、バックハンドの場合、(ラケットの重量+体重)×スイング速度、フォアハンドの場合、 (ラケットの重量+身体の回転力)×スイング速度となりますが、フォアハンドの<押すスイング>よりも、バックハンドの スイングに体重を乗せ易い<EEタイプ>=<居合抜き型>=<引くスイング>の方が遥かに強力であることは明白です。 |
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